第五回;琉球弧の農耕暦と年中行事/南島の夏正月②龍郷町秋名のアラセツ行事
- 2014/11/22
- 13:59
奄美シマウタ研究会 プログラム アーカイヴ
2014.11.12(水)18:30~21:00@法政大学BT0805
『民謡大観』第II 部「儀礼・行事・祝い」より「折り目儀礼(夏正月)と八月踊り」(2)
*徳之島の「ハマウリ」と〈夏目踊り〉に続き、奄美大島の折り目儀礼「アラセツ」の特徴的な儀礼「平瀬マンカイ」と、儀礼の重要な要素である〈八月踊り〉をみてゆきます。
*〈 〉はジャンル名、《 》は曲名。以下〈八月踊り〉の〈 〉は略
II-2 <南島の夏正月②龍郷町秋名のアラセツ行事;ショチョガマ・平瀬マンカイと八月踊>
1.奄美大島の年中行事(折(をり)目節句)とミー八月;アラセツ(初丙(ひのえ))~シバサシ(数えて7日目、壬(みずのえ))~ドゥンガ(甲子(きのえね))
[恵原1994、民謡大観「奄美諸島の風土・歴史・文化」4.信仰と祭り]
2.秋名集落と、「ショチョガマ・平瀬マンカイ」の概要
3.<民族誌映像>「龍郷のアラセツ-ショチョガマと平瀬マンカイ」(1982、民族文化映像研究所、30 分);ツカリ(前夜)からの八月踊りの家まわりの一行が、引き続き早朝のショチョガマの屋根へのぼっていく、今ではみられない情景を記録。初穂儀礼、コスガナシ(先祖霊)へのお供えも丁寧です。
・男性中心の山の神事(鹿児島県本土から南下?)vs 女神人中心の海の神事(沖縄から北上?)。両者が秋名において、不思議な見事な対立した表現をした(小野重朗)。
・《平瀬まんかいの歌》《ショチョガマの歌》は、各々秋名の八月踊り開始曲《あらしゃげ女・男》と同系旋律。儀礼的に重要な曲で、祝い付け、座浄めの意味を持つ。特に女の旋律は、他地域の《祝付け》などと同形。反復形式、裏声が特徴的。
4.酒井映像 2003.8/30 ~ 8/31、秋名にて
1)ショチョガマの儀礼 8/31 5:15~ 6:55am
・《ショチョガマの歌》 5節 ~ ヨラ、メラ ~朝日が差し込む ~倒す
・八月踊り
《あらしゃげ男》 *abcdヨンドハレccd (=♪ショチョガマの歌)
~**ホラシ*abハレcdヨンド(♪短縮型)
《今の踊り》*abソラcdヤイキュラサヌ・・~**ホラシ(ドンドン節)
*歌唱形式=実際のうたわれ方。歌詞は1節、2節・・・と変わっても、歌詞反復の形式とハヤシ詞(ことば)は曲ごとに定まっている。その定形、枠組みを記載。4句体歌詞の各々をa、b、c、d、と置き換えて記す。
**ホラシとは、速める、つまり曲をメドレー式に替えてテンポを上げる手法。曲とテン
ポをシフト・アップすることで、またその曲(付随旋律)をさす。クズシともいう。
2)平瀬マンカイ練習 8/30 夜 @秋名公民館
・《平瀬まんかいの歌》 abハレc<>cdヨンド 繰り返し *<>は合いの手
・めらべ平瀬
《あらしゃげ女》 《あらしゃげ男》 *男女異旋律
《今の踊り》 ~ホラシ(ドンドン節)
・《すす玉踊り~ほこらしゃホラシ1》
・八月踊り 《赤木名観音寺(ぜ)》abcdアリャヨイサヨイサヨイ~ホラシ(ドンドン節)
3)平瀬マンカイ本番 8/31 夕
・《平瀬まんかいの歌》 ~めらべ平瀬~すす玉踊り (練習参照)
・八月踊り
《ほこらしゃ》 abcdアナレイショナ ~ホラシ1 abハレcdヤショレ
~ホラシ2(ドンドン節)
《赤木名観音寺》 abcdアリャヨイサヨイサヨイ ~ホラシ(ドンドン節)
《しゅんかねくゎ》 abcdサーサシュンカネクヮ ~ホラシ1(うんとのまい)
~ホラシ2(口説(くどき))
・浜下り
5.秋名八月踊り;次回に。
<参考文献>
秋名重要無形民俗文化財保存会1985『記念誌』
恵原義盛1973『奄美生活誌』木耳社(2009 復刻、南方新社)
小野重朗1994「ショチョガマ・平瀬マンカイ」『南島の祭り』(著作集6)第一書房
久万田晋・寺内直子1992「奄美大島龍郷町秋名の八月踊り」『沖縄芸術の科学』5, 沖縄県立芸大付属研究所
田畑千秋1992『奄美のくらしと儀礼』第一書房
龍郷町誌編纂委編1988『龍郷町誌民俗篇』同町教育委員会
崎原恒新・山下欣一1975『沖縄・奄美の歳時習俗』明月書房他
(文責;酒井)
2014.11.12(水)18:30~21:00@法政大学BT0805
『民謡大観』第II 部「儀礼・行事・祝い」より「折り目儀礼(夏正月)と八月踊り」(2)
*徳之島の「ハマウリ」と〈夏目踊り〉に続き、奄美大島の折り目儀礼「アラセツ」の特徴的な儀礼「平瀬マンカイ」と、儀礼の重要な要素である〈八月踊り〉をみてゆきます。
*〈 〉はジャンル名、《 》は曲名。以下〈八月踊り〉の〈 〉は略
II-2 <南島の夏正月②龍郷町秋名のアラセツ行事;ショチョガマ・平瀬マンカイと八月踊>
1.奄美大島の年中行事(折(をり)目節句)とミー八月;アラセツ(初丙(ひのえ))~シバサシ(数えて7日目、壬(みずのえ))~ドゥンガ(甲子(きのえね))
[恵原1994、民謡大観「奄美諸島の風土・歴史・文化」4.信仰と祭り]
2.秋名集落と、「ショチョガマ・平瀬マンカイ」の概要
3.<民族誌映像>「龍郷のアラセツ-ショチョガマと平瀬マンカイ」(1982、民族文化映像研究所、30 分);ツカリ(前夜)からの八月踊りの家まわりの一行が、引き続き早朝のショチョガマの屋根へのぼっていく、今ではみられない情景を記録。初穂儀礼、コスガナシ(先祖霊)へのお供えも丁寧です。
・男性中心の山の神事(鹿児島県本土から南下?)vs 女神人中心の海の神事(沖縄から北上?)。両者が秋名において、不思議な見事な対立した表現をした(小野重朗)。
・《平瀬まんかいの歌》《ショチョガマの歌》は、各々秋名の八月踊り開始曲《あらしゃげ女・男》と同系旋律。儀礼的に重要な曲で、祝い付け、座浄めの意味を持つ。特に女の旋律は、他地域の《祝付け》などと同形。反復形式、裏声が特徴的。
4.酒井映像 2003.8/30 ~ 8/31、秋名にて
1)ショチョガマの儀礼 8/31 5:15~ 6:55am
・《ショチョガマの歌》 5節 ~ ヨラ、メラ ~朝日が差し込む ~倒す
・八月踊り
《あらしゃげ男》 *abcdヨンドハレccd (=♪ショチョガマの歌)
~**ホラシ*abハレcdヨンド(♪短縮型)
《今の踊り》*abソラcdヤイキュラサヌ・・~**ホラシ(ドンドン節)
*歌唱形式=実際のうたわれ方。歌詞は1節、2節・・・と変わっても、歌詞反復の形式とハヤシ詞(ことば)は曲ごとに定まっている。その定形、枠組みを記載。4句体歌詞の各々をa、b、c、d、と置き換えて記す。
**ホラシとは、速める、つまり曲をメドレー式に替えてテンポを上げる手法。曲とテン
ポをシフト・アップすることで、またその曲(付随旋律)をさす。クズシともいう。
2)平瀬マンカイ練習 8/30 夜 @秋名公民館
・《平瀬まんかいの歌》 abハレc<>cdヨンド 繰り返し *<>は合いの手
・めらべ平瀬
《あらしゃげ女》 《あらしゃげ男》 *男女異旋律
《今の踊り》 ~ホラシ(ドンドン節)
・《すす玉踊り~ほこらしゃホラシ1》
・八月踊り 《赤木名観音寺(ぜ)》abcdアリャヨイサヨイサヨイ~ホラシ(ドンドン節)
3)平瀬マンカイ本番 8/31 夕
・《平瀬まんかいの歌》 ~めらべ平瀬~すす玉踊り (練習参照)
・八月踊り
《ほこらしゃ》 abcdアナレイショナ ~ホラシ1 abハレcdヤショレ
~ホラシ2(ドンドン節)
《赤木名観音寺》 abcdアリャヨイサヨイサヨイ ~ホラシ(ドンドン節)
《しゅんかねくゎ》 abcdサーサシュンカネクヮ ~ホラシ1(うんとのまい)
~ホラシ2(口説(くどき))
・浜下り
5.秋名八月踊り;次回に。
<参考文献>
秋名重要無形民俗文化財保存会1985『記念誌』
恵原義盛1973『奄美生活誌』木耳社(2009 復刻、南方新社)
小野重朗1994「ショチョガマ・平瀬マンカイ」『南島の祭り』(著作集6)第一書房
久万田晋・寺内直子1992「奄美大島龍郷町秋名の八月踊り」『沖縄芸術の科学』5, 沖縄県立芸大付属研究所
田畑千秋1992『奄美のくらしと儀礼』第一書房
龍郷町誌編纂委編1988『龍郷町誌民俗篇』同町教育委員会
崎原恒新・山下欣一1975『沖縄・奄美の歳時習俗』明月書房他
(文責;酒井)
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