第九回;琉球弧のわらべうたワークショップ パート2
- 2015/06/05
- 18:34
奄美シマウタ研究会 プログラム アーカイヴ
2015.05.23(土)15:00~18:00@法政大学BT0610 教室
第九回;琉球弧のわらべうたワークショップ パート2 講師:赤羽(あかば)由規子先生
「わらべうたにみる子どもの“ことば”の世界;沖縄と宮古のわらべうた今昔
~はやしことば、まじない、悪口うた、自然や動物とのたわむれ、替えうた~」
*昨年に引き続き、東京芸大民族音楽ゼミナール(通称民ゼミ)最古参の赤羽由規子先生をお招きしてのワークショップ。赤羽先生は明治大学・放送大学等講師、『日本民謡大観(沖縄奄美)』全4巻の“わらべうた” “子守唄”の編集・執筆を担当されたベテラン中のベテラン。『日本民謡大観』は、現地収録の音源をもとに採譜、歌詞を聞き取り、収録日時、場所、演唱者を明記して解説を付した、画期的な資料集です。
*[ ]は『日本民謡大観(沖縄・奄美)』の曲番号。☆:みなさんといっしょに遊ぶ曲目。#:実演あり
<わらべうたの性格> (前回資料の復習)
・わらべうたは、うたうための歌ではなく、いわば遊びの道具である。
・わらべうたは、伝わっていく過程で変わっていくものである。
・わらべうたで、子ども達は各地の日本語の語感と日本人の伝統的な音感覚との結びつきを体験する。
・わらべうたは、新しく創られている。
・わらべうたには、他のジャンルの歌が借用され、多くの場合替え歌として用いられる。
・わらべうたは、子どもの世界の民謡であり、日本の民族音楽の重要な一分野である。
(一)沖縄諸島(本島)のわらべうた
1.国頭村(くにがみそん)奥間(おくま)
1)[14]明日(あっつぁー)は正月(そーがちぃ)どー 1974(豚へのうたいかけ、お正月を待つ大晦日の気持ち)
2)[15]いったーあんまーめーちゃー 1973(鳥へのうたいかけ)
3)[16]だら木の下の(ぎぬしちゃぬ) 1973(雨がやんで、お日さまが出ますように)
4)[17] 名護屋(なぐや)のかまるんぐゎー# 1975(長い物語のまりつきうた)
2.国頭村安田(あだ) すべて1973
5)[1] 東の(あがりぬ)立雲(たちぐむ) (夜明けの海の美しさ)
6)[10] 天の(てぃんぬ)下(しちゃ)から# (波とのたわむれ)
7)[2]あったー豚の子と(わんくゎとぅ) (シークヮーサーの房の袋あそび)
8)[3]雨の子達(あみんくゎたー)降(ふ)らばん (雨がやみますように)
3.那覇市壺川(つぼかわ)
9)[51] 与那原(ゆなばる)馬車すんちゃー 1987(いたずらっ子のたのしみ)
10)[52] わーがーさびらん 1987(バチがあたりませんように)
11)[7,8][45,46] ちんなん(かたつむり)☆ 1971 “子取ろ遊び(鬼ごっこ)”
12)[37] 小禄(うるく) 豊見城(とぅみぐしく)☆(三線演奏:持田明美) 1987(働きながら、ついついあそびほうける娘たち “せっせっせ”) 映像:「歌のあつまり“風”」林光作曲<島こども歌>より
13)こーじゃー馬(んま)ぐゎー☆ (塩を運ぶ小さな麹色の馬の姿をじゃんけんあそびに) 映像TBS
14)[33] いっちくたっちく (“ずいずいずころばし”とおなじ) 映像TBS
15)[41,42]じんじん (ほたる) 映像TBS
(二)宮古諸島のわらべうた
1.1963年(日本復帰の10年前)、小泉文夫ゼミのはじめてのフィールドワークから
16)[3] かどぅかどぅ (ほたる)
17)「戻り篭(大人の新民謡)の替え歌」 沖縄全域で聞いた、唯一の琉球音階(ドミファソシド)のわらべうた
2.1984年のフィールドワークから
(1)池間島の子どもたちのわらべうたあそび
どれにしよーかな/くいとぅくいとぅ[30,31]/からすなぜなくの/木からサンジャリタ
(木から落っこちたメジロ、唯一、方言の歌)/ゆびきりげんまん/三角四角/しーまいよ しーまいよ/下駄かくし(かくれんぼ)
(2)まじない
18)[10]我(ば)が歯(ぱ)や美歯(かぎぱ) (乳歯が抜けた時の呪文)
19)[9]着物は弱く(きんなーよーかり) (新しい着物をおろす時のおまじない)
(三) 宮古島と奄美をつなぐわらべ歌「うずらの母(んめー)」 (鶉の母の雛を守る強さ) 解説:酒井正子
20)[2]鶉の(うっじゃぬ)ユガタイ 宮古島平良(ひらら)市西原
21)[5] 鶉の母(うっじゃがんま) 宮古郡多良間(たらま)島仲筋 三線演奏・うた:持田明美
22)鶉ん目(めー) 奄美大島笠利町用 ♪築地俊造(95/10/20ライブ)*次回へ繰越
♪うたってみましょう 三線演奏:持田明美
(1)赤田首里(すん)殿地(どぅんち)☆
(2)えらぶの子守唄☆
以上、☆印、#印以外にも歌詞を皆で読みながら、体を動かしながらの実践的なワークショップでした。当日の写真は別途アップしてご覧いただく予定です。また時間の都合で22)の「鶉ん目」は次回への持ち越しとなりました。お楽しみに。(報告 大橋)
2015.05.23(土)15:00~18:00@法政大学BT0610 教室
第九回;琉球弧のわらべうたワークショップ パート2 講師:赤羽(あかば)由規子先生
「わらべうたにみる子どもの“ことば”の世界;沖縄と宮古のわらべうた今昔
~はやしことば、まじない、悪口うた、自然や動物とのたわむれ、替えうた~」
*昨年に引き続き、東京芸大民族音楽ゼミナール(通称民ゼミ)最古参の赤羽由規子先生をお招きしてのワークショップ。赤羽先生は明治大学・放送大学等講師、『日本民謡大観(沖縄奄美)』全4巻の“わらべうた” “子守唄”の編集・執筆を担当されたベテラン中のベテラン。『日本民謡大観』は、現地収録の音源をもとに採譜、歌詞を聞き取り、収録日時、場所、演唱者を明記して解説を付した、画期的な資料集です。
*[ ]は『日本民謡大観(沖縄・奄美)』の曲番号。☆:みなさんといっしょに遊ぶ曲目。#:実演あり
<わらべうたの性格> (前回資料の復習)
・わらべうたは、うたうための歌ではなく、いわば遊びの道具である。
・わらべうたは、伝わっていく過程で変わっていくものである。
・わらべうたで、子ども達は各地の日本語の語感と日本人の伝統的な音感覚との結びつきを体験する。
・わらべうたは、新しく創られている。
・わらべうたには、他のジャンルの歌が借用され、多くの場合替え歌として用いられる。
・わらべうたは、子どもの世界の民謡であり、日本の民族音楽の重要な一分野である。
(一)沖縄諸島(本島)のわらべうた
1.国頭村(くにがみそん)奥間(おくま)
1)[14]明日(あっつぁー)は正月(そーがちぃ)どー 1974(豚へのうたいかけ、お正月を待つ大晦日の気持ち)
2)[15]いったーあんまーめーちゃー 1973(鳥へのうたいかけ)
3)[16]だら木の下の(ぎぬしちゃぬ) 1973(雨がやんで、お日さまが出ますように)
4)[17] 名護屋(なぐや)のかまるんぐゎー# 1975(長い物語のまりつきうた)
2.国頭村安田(あだ) すべて1973
5)[1] 東の(あがりぬ)立雲(たちぐむ) (夜明けの海の美しさ)
6)[10] 天の(てぃんぬ)下(しちゃ)から# (波とのたわむれ)
7)[2]あったー豚の子と(わんくゎとぅ) (シークヮーサーの房の袋あそび)
8)[3]雨の子達(あみんくゎたー)降(ふ)らばん (雨がやみますように)
3.那覇市壺川(つぼかわ)
9)[51] 与那原(ゆなばる)馬車すんちゃー 1987(いたずらっ子のたのしみ)
10)[52] わーがーさびらん 1987(バチがあたりませんように)
11)[7,8][45,46] ちんなん(かたつむり)☆ 1971 “子取ろ遊び(鬼ごっこ)”
12)[37] 小禄(うるく) 豊見城(とぅみぐしく)☆(三線演奏:持田明美) 1987(働きながら、ついついあそびほうける娘たち “せっせっせ”) 映像:「歌のあつまり“風”」林光作曲<島こども歌>より
13)こーじゃー馬(んま)ぐゎー☆ (塩を運ぶ小さな麹色の馬の姿をじゃんけんあそびに) 映像TBS
14)[33] いっちくたっちく (“ずいずいずころばし”とおなじ) 映像TBS
15)[41,42]じんじん (ほたる) 映像TBS
(二)宮古諸島のわらべうた
1.1963年(日本復帰の10年前)、小泉文夫ゼミのはじめてのフィールドワークから
16)[3] かどぅかどぅ (ほたる)
17)「戻り篭(大人の新民謡)の替え歌」 沖縄全域で聞いた、唯一の琉球音階(ドミファソシド)のわらべうた
2.1984年のフィールドワークから
(1)池間島の子どもたちのわらべうたあそび
どれにしよーかな/くいとぅくいとぅ[30,31]/からすなぜなくの/木からサンジャリタ
(木から落っこちたメジロ、唯一、方言の歌)/ゆびきりげんまん/三角四角/しーまいよ しーまいよ/下駄かくし(かくれんぼ)
(2)まじない
18)[10]我(ば)が歯(ぱ)や美歯(かぎぱ) (乳歯が抜けた時の呪文)
19)[9]着物は弱く(きんなーよーかり) (新しい着物をおろす時のおまじない)
(三) 宮古島と奄美をつなぐわらべ歌「うずらの母(んめー)」 (鶉の母の雛を守る強さ) 解説:酒井正子
20)[2]鶉の(うっじゃぬ)ユガタイ 宮古島平良(ひらら)市西原
21)[5] 鶉の母(うっじゃがんま) 宮古郡多良間(たらま)島仲筋 三線演奏・うた:持田明美
22)鶉ん目(めー) 奄美大島笠利町用 ♪築地俊造(95/10/20ライブ)*次回へ繰越
♪うたってみましょう 三線演奏:持田明美
(1)赤田首里(すん)殿地(どぅんち)☆
(2)えらぶの子守唄☆
以上、☆印、#印以外にも歌詞を皆で読みながら、体を動かしながらの実践的なワークショップでした。当日の写真は別途アップしてご覧いただく予定です。また時間の都合で22)の「鶉ん目」は次回への持ち越しとなりました。お楽しみに。(報告 大橋)
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